SSLは不要? – SSL証明書 暗号化

 SSL証明書なんてあったって無くたって同じという人が居るけど、どうなのかという話。

 一般的な有線LANの話をすると、スイッチはMACアドレスが一致するポートにのみデータを流すのでデータが漏れることはないような気がする。
 しかし、ちょっと高価なスイッチ(インテリジェントスイッチ=CISCO Catalyst等)を使うと、ポートミラーリングと言う設定が出来る。
 これは、あるポートの通信内容を別のポートに流す機能だが、これは別に特殊な機能でもなんでもない。

 典型的な接続形態でメールを使う場合だと
メールサーバ = Internet = アクセスルーター = スイッチ = クライアント
(Internet = ルーターの集まりとも言える)
 みたいな感じになるけど、このスイッチをポートミラーリングできる機械にして、ルーターのポートをミラーリングしたポートにWireshark等のパケットキャプチャソフトを導入した端末を接続すると、LANから流れるデータは全部丸見えになる。

 POP3であれば、認証に使うID/Passwordもメール本文も丸見えなので、そのように仕組まれたネットワーク経由で一度でもメールチェックしたら最後、ID/Passwordを変更するまでメールボックスを覗き放題になる(ホットスポットのふりをして設置した無線APとルータ間にインテリジェントスイッチとロガーを仕込んだりしておくと、色々な情報が収集できることだろう)
POP3

 メール自体の暗号化(PGPなど)をすれば個別に暗号化したメール内容は保護できるけど、認証に使っているID/Passwordは上のように丸見えだし、暗号化していないメールはどうにもならない。
 Webでパスワードリセットのユニークコードをメールで送るようなシステムがあるけど、POP3が覗けるなら、この仕組みは簡単に破られてしまう(サイトでパスワードリセット処理をして、そのメールをいち早く受信してサーバから削除すれば、利用者の気づかない間にWebのアカウントを奪われる)

 POP3Sを使っていれば、セッションの開始から認証処理、データ転送、セッション終了までの通信が暗号化されるので、とりあえず通信内容が保護されるので、このような危険性を排除することが出来る。
POP3S

 では、個別にメールを暗号化するのが不要かというと、そういうわけでもなく、SMTPS/POP3Sを使っていても、自分のメールサーバとクライアント間の通信が保護されるだけで、相手サーバとの通信は危険なインターネット内を経由することになるので、PGP暗号化は別のレベルで必要となる。

 と言うわけで、色々な場所から自分のVPSに接続して利用したい場合、SSL証明書を取得して色々な認証処理を暗号化してセキュアにした方が幸せだろう。

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